こんばんは。アウトドアライターの谷木です。
火起こしや焚き火、BBQのように、火を扱うイベントを多数開催しているTOKYO OUTDOOR。日頃、奥多摩というフィールドで活動している私達は、奥多摩の自然環境を守る責務があります。
今回は、私が定期的に参加している「消防団」に焦点を当ててお話していきたいと思います。
すべての市町村にある消防団とその役割とは
そもそも、消防団とは何なのでしょうか。
総務省消防庁のサイトには、下記のように記されています。
「消防団は、常勤の消防職員が勤務する消防署とは異なり、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員です。」
常設の消防機関である消防署とは別の組織、それが消防団です。消防団はすべての市町村に設置されており、火災や大規模災害が発生したタイミングで出動します。消防団員は普段から活動することはありませんが、災害以外には、消防訓練や年末の火災予防の啓発、地域のイベント(火を扱うもの等)、出初式などに参加することが多いです。
消防団は特別職の地方公務員という身分によって報酬や出勤手当が支給される、とされています。団員で3.5万円〜/年、団長で8万円〜/年程度もらえるらしいですが、実際に支給されているかと言われれば謎の残る部分ですね。(地域によって差があるようです)
自然大国日本を守る消防団
平成29年度のデータでは、消防団員の出動回数は年間66.7万回、延べ人数にして900万人以上と出動件数はかなり多いのが実態です。
救急や救助では消防職員さんの出動比率が圧倒的に高いですが、こと火災に関しては消防職員ののべ出動人数79万人に対し、消防団員が78万人と、ほぼ同数。
森林面積が国土の3分の2を占める日本では、火災延焼をいかに早く防げるかは生死を左右する大事な問題です。都市部でも消防団は活躍していますが、常駐の消防職員の少ない地方や山村でこそ消防団は必要とされている存在なのです。
消防団で学べる知識が役に立つこともある
消防団では定期的に消防操法(しょうぼうそうほう)訓練を行います。
消防操法とは、消火活動に関する基本的な操作方法を習得するための操作手順のことです。ポンプ車や小型可搬ポンプを使って消火するまでの動きの正確さや綺麗さを競います。減点方式で計算され、最も高得点のチーム(分団)が上の大会に進みます。
消防操法大会は2年に1度開かれます。この大会に向けて各チームが夜な夜な練習を行い、消火活動のいろはを学ぶのです。
練習では消防水利の使い方やホースの伸ばし方等、普段の生活では扱わない内容を多く学びます。これらの知識は、いざ初期消火を行う時に役に立つのはもちろん、ロープワークを習ったり、防災の知識が増えたり、何かと有意義な技能・知識を身につける機会となっています。
アウトドアを楽しむ私達のような人種にとっては、防災知識を習得する貴重なチャンスでもあります。
火事を防ぐのは一人ひとりの心がけが大切
消防詰め所の前にたまった落ち葉を掃いて綺麗にするのも、消防団員の仕事。
「こんなことやるの〜面倒だな」という声が聞こえてきそうですが、本当はやりたくないけど誰かがやらなきゃいけないことをやるのが公的な仕事(公務員の仕事)です。
消防車を清掃する、ホースを洗う、落ち葉を掃く。日頃から手入れすることで、消防団はいつでも最高のパフォーマンスを発揮できます。
防火・防災に気をつける消防団以外の住民全般についても、同じことが言えます。火事は起こしたくて起きるものではありません。うっかりタバコの火を消し忘れた、焚き火後の火消しが十分ではなかったなど、対策や気持ちの配慮が不十分だったために起こるものが多くを占めます。日頃からの意識・行動が、大きな災害を未然に防ぐのです。
消防団に属しているあなたも、団員ではないあなたも、火の取り扱いには日頃から十分注意しながら、アウトドア・ブッシュクラフト生活を楽しみましょう。
アウトドアライターの谷木でした。ではまたー!