はじめまして、おつまみと申します。
奥多摩を拠点とするアウトドアイベント企画団体、TOKYO OUTDOOR、の統括責任者です。
肩書きを聞くと、奥多摩のスペシャリストみたいで頼もしい!
そう感じた方も多いのではないでしょうか?
実は私、普段は新宿区に住居を構えているシティーボーイなんです。(「裏切られた!」と思った方、ごめんなさいm(_ _)m)
気が向いたら奥多摩へ向かい、TOKYO OUTDOOR本部や森で寝泊まりし、静寂を楽しむ。そして、都心の雑踏が恋しくなったら新宿へ帰還するという2拠点生活を送っているわけですね。
しかし少し前までは、私は都心1拠点生活をしていました。
そんな私がなぜ、2拠点生活をするに至ったのか?
始まりは、都心で感じる違和感からの逃避でした。
都心の空気に身も心も浸かっていた私は、人間関係、もとい、人間社会に気疲れしていたんですよね。
圧倒的に便利なはずなのに、幸せを実感できない。人がこんなに沢山いるのに孤独で仕方がない。
AI、生産性、利益率、計画性etc。洗練された管理体制の元では、人間が生物であるという前提がなくなっていると感じたわけですね。
そんな折に養老孟司さんが登壇している講演動画に出会いました。
養老さんは動画の中で、いじめを苦に自殺をする子の遺書の中には「花鳥風月」が存在しない、ということを仰っていました。
花鳥風月とは自然の美しい景色のことです。
つまり、自殺をしてしまう子達の世界というものは人間社会だけに限定されています。悩みも人間関係に終止しており、自然に対する関心は皆無だというのです。
私はこの子達と同じだ…と思い、人生に花鳥風月を取り入れる必要性を強く感じたのですね。
私が最初に目をつけたのが、便利な暮らしとはおよそ真反対であるブッシュクラフトや狩猟の技術、生活様式でした。
自然と親和性のある技術をもっているグループとコンタクトを取り、彼らから学ぼうと思ったのです。
一通り彼らから学んだ後に、谷木(TOKYO OUTDOOR代表)と出会い、彼が経営する奥多摩の民泊「ひぐらし荘」(後にTOKYO OUTDOORの本部となる)に頻繁に出入りするようになりました。
奥多摩は新宿からはアクセスの良い田舎。(電車&バスで約2時間半)
鹿、猿、狐、アナグマなどの野生獣を当たり前のように道路で見かけます。
花鳥風月を取り入れるのに「これ以上最適な場所はない!」と確信しました。
奥多摩に行って最初にやった野営は、奥多摩の山の中で独りだけで一晩過ごしてみること。
選んだロケーションは斜面だらけの杉山。
昼間、斜面に生えている樹木にハンモックを吊り下げ、雨よけのためのタープを掛け、夜を待ちました。
夜になると、夏の湿った風が不気味にタープをはためかせます。
闇の中、カサカサと音を立てながら「何か」がソロリと近づいてくる。
野生動物がこちらに来てる…!?
まるで生きた心地がしなかったのをいまでも鮮明に覚えています。
いくら経済的に成功しようが、名声を手に入れようが、人間社会の中で威張り散らそうが、山の中に独りで放置されれば、ただの脆弱な存在でしかない。
「それが自然界での現代人の立ち位置である」
という事実を身に沁みて実感したのです。
あの体験以後、私の世界に「花鳥風月」が入ってきたように思います。
自分の世界=100%人間社会ではなくなったんですよね。
「失敗しても成功しても所詮、半分じゃないか」
そう考えると成功への固執、失敗への恐れも和らぎました。
良い意味で、人生に対して良い加減になれました。
テキトーという意味の「イイ加減」ではなく、良い塩梅という意味の「良い加減」です。
もし、あなたが人間社会のゴタゴタに疲れていたら、花鳥風月を取り入れにTOKYO OUTDOORへ顔を見せに来てください。
待ってますね(^o^)